[Astragalus]

球体関節人形 と 絵 と 雑記

▼本

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▼霊長類 南へ
筒井康隆 角川文庫

「我脳袋来了 わたし あたま きたよ」 「称打。称打 なぐりなさいよ さぁ」 「今畜生 こんちくしょう 」「打。打。打 なぐれ なぐれ なぐれ」ーーー  瀋陽のミサイル基地で四人の男女が殴り合いを始めた。倒れた男の背が制御盤の赤いボタンを押した。「倆不要推那門 その ぼたん おす で ない」 「那是門原子炸弾 それは げんばく の ぼたん だ」 ーーーだが遅かった。 その頃、毎読新聞の記者 澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒してた。珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終わりがくるわけでもあるまいし」 その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に原爆が落ちたのだ。大統領はホットラインに手を伸ばした。だが遅かった。原爆はソ連にも落ち、それをアメリカの攻撃と思ったソ連はすでにミサイルを………  ホテルをでた澱口と珠子は、凄まじい混乱を第三京浜に見た。破滅を知った人類の暴走が始まったのだ。
かくて地上最大の、壮絶なる『パイ投げ』は始まった。


昭和61年発行のもの。古く感じる事はないドタバタSF。

世界の、人類の、呆気ない滅亡。人々の喜怒哀楽がめまぐるしく本当に呆気なく死んでいく。

最期、愛する者は自分だけ。自分が助かればそれでいい。

滑稽で実にナンセンス。